ジェームズ・ボンド 007論 PART 1
ダニエル・クレイグ映画の精神分析と経済と哲学
THE WORLD OF JAMES BOND
山本てつし 著
2021年11月30発売
ISBN 978-4-910131-22-1
007ボンド映画を、詳細に分析・考察。
超人間的スパイ、ショーン・コネリーの次元を転じ、泥まみれに命がけで傷つきながら闘うボンド、また女性を性的対象物としてでなく、本気に愛してしまう。
クレイグ・ボンドは、性差別、人種差別、対外強行主義、外国嫌いなどを超えて、リアルな現実における想像的物語を作りだした。
マネーペニーもCIAフェリックスは黒人となり、Qは同性愛者、そしてMはジュディ・デンチ=母が死に、男へ。
コマ数はコネリー時代の倍。早い展開の中で、緻密な映像が踊る。
海外では無数のボンド論があるが、日本では初めての本格的ボンド論。
- 書籍内容- 007は永遠に?! - あらあらしくもビシッとかっこいいダニエル・グレイグのボンド - ・ カジノ・ロワイヤル「ぼくは君のものだ」 - テロリズム/マネー主義への批判と愛の物語 - ・ 慰めの報酬「あなたに自由を与えたい」 - 多国籍環境主義への批判と復讐倫理/バナキュラー存在 - ・ スカイフォール「なんでそんなに走り続ける」 - 熱狂的自由エゴへの批判と〈母ー息子〉の欲望構想 - ・ スペクター「クックー」 - 情報管理体制への批判と〈父ー息子〉の羨望三角形 - ・ ノータイム・トウ・ダイ「昔々、ボンドという人がいました」 - バイオテクノロジー批判とボンド主義の終焉? - ● ボンド映画のパターン:物語公式 - ボンドの敵=悪党は時代の表像 - ボンド・ガールからボンド・ウーマンへ - ジェームス・ボンドとは何か? - ジェームス・ボンドの元型:ジョーン・コネリー - ● 007シリーズのプロデューシング 
 まとめ ボンド世界の転移形成と物語展開における欲望構造
 男の観る性的対象物だったボンドガールに代わり、ボンドに対等で自立した知的なボンドウーマンへの変容。本気でヴェスパーを愛す。悪はボンドの男根を去勢すべく攻撃する。ボンドは女性から愛されるも、裏切られ、命を救えず、Mも死なす失敗する男。だが・・・

