江戸川乱歩、三島由紀夫、中村真一郎
古今東西の演劇/映画と小説をまたぐ エロスの物語
鈴木 貞美 著
2023年4月12日発売
ISBN 978-4-924671-82-9
鈴木文芸論、第3弾。「ナラトロジーへⅡ」
書籍内容
序章 トランス・ジャンル・スタディーズにおける「表現」概念
第一章 古今東西の演劇、及び映画 ー「再現」と「表現」 、
もしくは「現前性」
1 河竹登志夫の歌舞伎論
2「再現」と「写実」
3 イプセン『ヘッダ・ガーブレル』
4 イデーとその具体化のあいだ
5 異化効果をめぐって
6 二〇世紀への転換期
7 映画におけるリアリズムの変容
第二章 江戸川乱歩、眼の戦慄 ー 小説表現のヴィジュアリティーを
めぐって
1 文芸におけるヴィジュアリティー(視覚性)
2 江戸川乱歩の位置
3 イリュージョンとリアリティー
3-1 レンズ仕掛け
3-2 人形幻想
4 写真とイリュージョン
4-1 谷崎潤一郎の場合
4-2 パーツの視覚性
4-3 『痴人の愛』の映画技法
5『闇に蠢く』の視覚性
6『盲獣』ー オブジェとしてのオブジェ
7 エロ・グロとナンセンスの関係
8 映画的視覚性のゆくえ
第三章 中村真一郎と三島由紀夫 ー エロスと能をめぐって
1 なぜ、比較するのか
2 戦後日本のエロティック・フィクション
3 三島由紀夫における女性同性愛
4 中村真一郎の出発と女性同性愛
5 出されなかった葉書
6 戦後文壇における小説方法をめぐる対立
7 内的独白と意識のリアリズム
8「私小説」をめぐる論議の混乱
9 中村真一郎と能
10 三島由紀夫『近代能楽集』より
11 いかなる者として死ぬか ー 三島由紀夫の場合
12 いかなる者として死ぬか ー 中村真一郎の場合