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哲月の政治
アンカー 1

2023年7月11日発売

​笹島寿美 心象幻画集

​帯・着物からみた女の姿情と曲線​

着物・帯に80 年の生をかけて向き合った心象の感動の描画、約800点の画集。
B5版。上製本。角背。全336頁、うちカラー192 頁。
類ない固有の心象表現世界。画像サンプルを、商品画像へ上げておきました。

帯を結んだ後ろ姿には感情表現の他に本心の思いが秘められている。
女体、着物、帯この三種の共通は曲線である。曲線は心の波・我儘な波、優しい波・怖い波、嫌いな時は逃げ、交わりたいと時は寄りそう。彷徨い、孤独を嘆かずしたたかに流れていく。
幻象の全画集。圧巻、華美、繊細・・・・

笹島寿美 画像➀.jpg
アンカー 2
聖諦の月あかり

聖諦の月あかり

​思索のかなたに感じているもの

​情緒資本論への序奏

​著: 山本哲士

山本理論・思想の初源・根源における情緒・感覚の世界。
思索の極みの果てにとどかないたいせつなものがある。
それはまた初源の、月あかりにうかぶ情緒の場所に照応する。
生きる感覚・情緒のおもしろき、日常の愉しみ、しずかなやすいらい。
<なせぬ>ものからうまれるしなやかなたしかさ。
「ぼく」が<自分>(自から分る)になる
近代思考から脱する<好み>の情緒資本の響き。
初めての、軽みのエッセイ!!

書籍内容

2020年11月11日発売

ISBN 978-4-910131-04-7

定価:2,420円(税込)

序奏 
月あかりの音の響き

 音のしらべのひさしき明かり
  コルトレーンの至高の音:「至高の愛」と「マイ・フェバリット・シングス」
  ⦿my favorite thingsノート
 メシアンの翔ぶ音:シュールな愛の交響曲の響き
  ⦿メシアンのピアノ曲とオルガン曲、そして交響曲
  ⦿メシアンの技法的な音楽哲学:「ハーモニーは色、音楽は色化された時間」
  ⦿メシアンの鳥たち
  ⦿メシアンの日本
 さらなるソロとオーケストラとの次元へ
 愛の音
 情熱的なジャズロックのフルート:闘いのなかでのジェレミー・スタイグ
 サンタナ:ラテンロックの祈り:異界がふるさと
 ビセンテ・アミーゴの〈音の詩〉
 UAKTIとピンク・フロイド、そして武満徹:人為的音の自然と音のシニフィアン
 音の情緒と自然の響きの享楽:無意識の彼岸にあるもの
 メルセデス・ソーサとビオレタ・パラ:こころに響く「生への感謝」の歌声
 【歌う音/声の音 】
 ストラビンスキー(1882-1971):春の相反する音のliberation
 モーツァルト:プラハを奏でる音
 前進し続ける情熱:ショスタコーヴィチを二〇一九年3.11をはさんで聴いた日記から
  ⦿交響曲第5番のいろんな指揮者たち ⦿ショスタコーヴィチの全交響曲
 チャイコフスキーとゲルギエフ、そしてテミルカーノフとムラヴィンスキー
 日本の音は四拍子で五音階:述語シニフィアンの音
 ドゥダメルの踊るラテン・クラシック


目をこえていく絵の静寂 
 音なしの絵をこころにうつす
  ジベルニーのモネ庭園のあまりの美しさ
  カンディンスキー展に目眩む
  ルオーのベロニカに恋する:そしてキルストの瞳
  美術展/美術館とメキシコの壁画のこと
  日本画の〈もの〉:非分離の述語的表出のわざ
  月岡芳年の日本
  日本の漫画は偉大:「学」を超絶する情緒表出


忘我のひとときの映像のあかり 
 忘我の朧夜の愉しみ
  デ・パルマのヒッチコック・タッチ
  コスタ・ガブラスの政治的サスペンス映像
  サム・ペキンパーのスローモーション・バイオレンス
  スティーブ・マックイーンのかっこよさ:クールな美学
  サスペンスはあきないが・・・
  ファム・ファタールとギルダ=リタ・ハサウェイ
  自分をもつ美しきヒロインのエロスと知性
  あらためてサスペンスのファム・ファタールのエロティシズムと殺人
                     ―モニカ・ベルッチを範型にして
  ●ファムケ・ヤンセンとモニカ・ベルッチ
 荒野の七人と西部劇:痛快とは個性の発揮
 高倉健・藤純子の任侠映画に涙するわけ
 007は真の娯楽映画
  ⦿ル・カレのスパイ映画
 テレビドラマの果てしなきおもしろさへの転移 24からキリング・イヴ
 「ニュー・シネマ・パラダイス」と「ミツバチのささやき」:記憶のぬくもり
  ●トルナトーレと少年。そしてモリコーネ音楽。
  ⦿エリセの少女と家族
 舞踏と映画 Fosseに魅了されて
 シネマ雑感
 情緒の場所
 【ぼくが選んだ映画200】   
 【ぼくが好きな監督・俳優】

文学の暗いみちしるべ 
 文学にあまりにあそべなかった
  芥川龍之介の自死への想像願望
  ドストエフスキー「悪霊」の誘惑に対する拒絶:スタヴローギンの首吊り
  原民喜の原爆小景:夏の花の幻
  メキシコでの大江健三郎さんと山口昌男さん
  ガルシア=マルケス『百年の孤独』の場所
  辻邦生文学と津島佑子文学の透明さ
    藤井貞和さんと文法的詩学
  ランボーと清水昶の詩魂、そして「白鯨」同人
  ぼくには書けない心あたたかい詩と日常の残酷さ:清岡卓行と黒田三郎と吉野弘
  ◈古事記は、日本心性の原基  
  ◈文学の情緒資本の場所
 【コラム】情緒資本と知的資本

スポーツと神々と、日々のくらし。そして海外にくらし、世界を旅する。
プロフェッショナルな身体精密の偉大さとわざ
   スポーツマン金太郎と三原監督、そして大洋ホエールズ・ファンに
   横浜ベイスターズの優勝に、滝のごときうれし涙
   日本サッカーのプロ化:木之本興三の意志とワーク
   F1を優勝させ世界と対決した男、桜井淑敏さん
   ラグビー・ワールドカップの多国籍軍に感動
  ◈〈プロ〉であることの意味
  ◈プロの身体行動は〈非分離〉の創出である

日本の場所の神々なるものに:国つ神の場所
   大神神社で猿田彦にあう:アマテラスを追い出した国つ神=大物主の力
  高千穂の夜神楽:村人たちが守り続ける国つ神と神楽
  神田明神はぼくの守り神

日常で、のんびりと生きている情感
  莨で死んでもかまわない
  医者にはいかない理由
  骨折経験はおもしろかった
  温泉効果を感じる日々
  白地を描く墨書
  枝垂れ桜の華麗なるあはれと、離れ離れの山桜
  着物のこころを染め編む非分離の技術:誉田屋源兵衛さんと笹島寿美先生からまなぶ
   わが愛しきピレネー犬
  場所のおいしいものに暮らす
  豆腐と納豆、そして場所の味
  おいしい大人のラーメンはここ
  寿司の真髄はどこにあるのか:扇寿司と葵寿司
  横浜「だるま」の串焼き:おやじさんとよっちゃん
  南足柄の梨と根府川の蜜柑:場所の果物の至高のおいしさ
  山・川に遊ぶ少年期:高崎少林山と餓鬼のころの梨・桃泥棒
  本のこと、書庫、そして出版
 
海外でくらしまた世界を旅すると気分は爽快かつ危険
   メキシコのバナキュラーな世界
   ジュネーブで暮らす:パブリックな成熟の街
   パリでの気楽な過ごし方
   プラハの崇高さと本来の都市、そしてルクソー遺跡


学問と思想のあかり、そして研究生産  大学は終わっている。 
 学問の場所、思想の場所における情緒:理論生産への挑戦と研究生産の開拓へ
  ●マルクスへの情緒関与と実践規準
  ●西欧世界からでなく第三世界/ラテンアメリカから〈世界〉を観る
  ●帰国後、文化生産へ
〈批判〉考察は「否定」ではない、可能条件を探しあてること
  ◇吉本隆明の思想資本は世界一:すべてはここから初まる
  ◇イバン・イリイチと歩いたクエルナバカの丘
  ◆フーコーとブルデューとラカンをなぜ読むか: 実践(プラクシス)ではない実際行為(プラチック)
  ◇ほんものの学者は、気さくな偉大さ: 白川静さんと坪井洋文さん
  ◇知的な偉大な企業リーダー: 福原義春さんと小林陽太郎さん、そして飛島章さん
 大学は役目を終えている:大卒知性でもはや未来は開けない、新たな高等研究・高等教育の開設を
  ・大学知性と大卒知性の特徴 ・労働の疎外が、自分利益なる大卒知性の効果
 東大世界四〇位、京大六〇位、そんな日本アカデミズム低次元でぼくは思考していない
  【hospitalityと場所と資本】
 思想家にならない、「研究」生産を学術マネジメントすること
    ・代表的な日本文化論の言説世界構図
    ・世界水準での基礎理論の主要なもの
    ・ぼくの知的生産ワークのプロセス
 聖諦の月明かりで真笛の奏へ・・・
 自己技術のオートノミー:あとがきにかえて

著者プロフィール

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山本 哲士 (やまもと てつじ) 1948年生まれ。
信州大学教授、東京芸術大学客員教授をへて、文化科学高等研究院ジェネラル・
ディレクター。教育学博士。政治社会学、ホスピタリティ環境学など専門分割領域にとらわれない超領域的専門研究の研究生産と文化生産を切り開いてきた。大学を超える研究生産機関として文化科学高等研究院を1990年に設立、海外の研究者たちと交通し、国際セミナー/会議をなす。さらにその超領域的学問の実際活用を
なす文化生産ビジネス機関としてJapan Hospitality Academy を設立(2005年
創設、2013年に改組)、そして2016年に、web intelligence university の動画配信知的システムを設立。2017年、文化資本学会を創設し、新たな日本高等学術会議の創設にたずさわっている。
著書、編集・監修、雑誌の書籍生産物は、200点を超える。



 

アンカー 3
述語制

​述語制の日本語論と日本思想

​主語制「国語」への言語革命 序説

​著: 山本哲士

日本語・日本文化の述語制は、主客分離の西欧的な近代普遍性を超える普遍力を有する。てにをはが、五十音に配置され、活用が独立させられていく。
富士谷成章、本居宣長・春庭から鈴木朖をへて東条義門らへと変容する近世文法を見直し、山田孝雄、橋本・時枝の国語学の転倒、そして和辻哲学の転倒を批判。
「主語=主体」化された国語学・哲学の誤認を明らかにし、述語制の普遍をイリイチ、
フーコー、ブルデュー、吉本隆明の理論を活用し、松下大三郎/佐久間鼎/三上章の述語的文法を再評価し、世界へ開く画期的な書。 
経済も政治も技術科学も、主客非分離の述語制によって、現在日本の閉塞状況を突破できる。

書籍内容

2019年11月11日発売

ISBN 978-4-938710-00-2

定価:4,180円(税込)

序 言語の哲学と日本語:文化資本としての言語理論へ

第1部 述語制言語様式への開削

【I 批判査証】
  一篇 問題の場所:<主語>制批判
  1章 日本語・日本哲学における<主語>という誤認の概念空間
  
  2章 主語制言語と述語制言語との対比:文法次元への批判的アプローチ
   第一節 述語制言語の指標
   第二節 文法次元と語法論からみた主語制と述語制
   第三節 思考形式と言語形式の関係:主語制認識と述語制認識の差異

  3章 一般文法の考古学的表象と一般言語学の闘
   1. 一般文法としての表象と文法学的実定化の限界:認識における理論布置
   2. 現代相における一般言語学の理論構成と言説閾
   3. 文法論の限界と普遍閾へ到る松下・佐久間・三上の三大日本語論の布置

 「一篇:プロブレマティーク」の結的指針からの開始へ:文法による客観化を客観化する

【II 歴史性化】
   二篇 理論的設定への史的批判軸と本質相 
  4章 日本語における近代文法化の変遷への批判閾
   0.品詞分類と分節化との違い:「品詞」を疑うこと
   1.文法地盤の転移のために:範疇・概念なき諸用語(単語・文・陳述)の徘徊
   2.文法の言説國空間
   3.近代文法の形式化への批判視座
  
  5章 日本語史と国家語の言語政治:述語制をなくした言語交換エコノミーと「国語」
   Ⅰ  日本語が国家語化される前提条件としての言語編制地盤
   Ⅱ  近代国家語の編制
   Ⅲ  言語政治の位相と言語交換エコノミー
  
  6章 吉本<言語表出>史論からの本質的な述語表出の諸相
   1. 吉本の時枝批判
   2. 表出論と三木成夫とマルクス
   3. 大洋論・語母論からの言語本質と日本語の位置
   4. 初期歌謡論から見えてくる述語制言語の相:言語の本質的な歴史論 
   5. 吉本の七五調論と近代詩の表出転移
   6. 言語の原了解へ

 結論Ⅰ 第二篇のまとめ
  述語制様式への理論転移:知的資本/情緒資本と国家資本
 【第I部から第II部への継承章】
  7章 近世日本文法の述語的表象と転移地盤
  第一節 活表象の述語制:本居春庭の言説層
  第二節タブロー(五十音表)から分節化へ、そして再びタブロー(活用段)へ
   Ⅰ 表象体系の編制へ
   Ⅱ 表象の分節化と体系的な言説編制
   Ⅲ 述語的表象地盤の客観的綜合化と転移の相
  第三節 表象体系の再編制:「助辞」から助動辞(助動詞)の分離出現と品詞分類









 

アンカー 4
再生産

<私>を再生産する

共同幻想国家・国家資本論

​再生産様式の理論​

​著: 山本哲士

私が賃労働者となり社会代行者(企業人、役人、生徒、親、教師など)となって、
思考し行動して生存生活している。
それは国家資本に集約された主語制言語とその「客観への総合」の大学知性が
一般化した「共同幻想と個人幻想が合致した」国家的配備の世界である。
学校と家族がそれを再生産して、商品主導の経済的再生産が可能になっている。
国家を実体化する国家権力論の誤りを転じた、世界理論の水準に立っての新たな
トポロジー国家論。

書籍内容

2018年7月10日発売

ISBN 978-4-938710-37-8

定価:4,378円(税込)

Ⅰ 再生産理論の基本世界 
 1章 アルチュセールの再生産理論
    ―― 生産諸関連の再生産と国家「諸装置」論の開削 ――

  Ⅰ 経済的な基本諸概念の再配置と転移
  Ⅱ 上部構造・下部構造と国家の諸装置論へ
  Ⅲ 生産諸関連の再生産と国家諸装置
 
 2章 ブルデューの教育再生産論と再生産戦略論
    ―― 文化的再生産と社会的再生産及び国家資本 ――

 3章 教育理論による再生産理論と国家的配備:学校化の統治制


Ⅱ 再生産の総体的構造
 4章 マルクスの再生産様式論の本質相
   Ⅰ 制度再生産様式への理論転移
      ― 土地をめぐる理論形式を制度世界へ転移する ―
   Ⅱ 剰余価値の剰余資本への理論的転移
      ― 領有理論の把捉 ―
   Ⅲ 概念空間の理論転移

 5章 国家と家族的再生産理論:経済セックスの再生産と心的再生産の地盤
 
 6章 国家の再生産様式の構成:再び、ラカンとトポロジーの活用


Ⅲ 主語制再生産様式からの離脱
 7章 文学生産の理論と再生産:作品の再生産とクリティーク

 終章 再生産理論の限界と脱出:時間プラチックの理論と場所論








 

アンカー 3
国家と再認

​国家と再認・誤認する私の日常

​ラカン理論の社会科学的活用​

​著: 山本哲士

国家を永久化させる心的根拠を問う!
国家配備の統治制を可能にする
幻想シニフィアンを明示。
ラカン精神分析理論の本格的な活用!

山本国家論3部作への本質的な補遺。
共同幻想シニフィアンが、国家資本・国家言説・国家認識、その国家アクトといかに「心的」に関連して統治制に配備されているかを、ラカン理論の中において読み解く。国家が永久化され、産業的諸制度が当然視され続けていく、その誤認・否認が日々の生活で「再認」され、諸個人は自分ではない「社会代行為者」=欲望主体として生存していく。他方、その根源に働いている日本文化の述語制様式を浮上させ、別様の自己技術の可能条件を開削する。吉本思想とラカン理論を交叉させ、ブルデュー、フーコーにおいて考えられえていない閾を明証にする。

書籍内容

2017年7月7日発売

ISBN 978-4-938710-22-4

定価:2,860円(税込)

1章 誤認・否認と再認の基本構造:否定と否認
    (1) 否定 negationと否認 denegation の区別
    (2) 否定 negation の論理
    (3) 想像的なものと象徴的なものの区別と相応関係
    (4) 心的に基本構造:ボロメオの輪と〈対象a)
    (5) 大文字の他者と国家:誤認の主体


2章 心的・言語的な段階と領有: 再認と欲望主体化
    (1) 前言語的段階から言語的段階へ:述語制の基礎
    (2) ピアジェの発生認識論の段階
    (3) 社会的なコード化の段階
    (4) 欲望グラフのシニフィアン
    (5) 精神分析論の主語制様式の臨界閾

3章 再認の構成と構造化
    ・ 再認の認知的基礎
    ・ 再認の社会的構成
    ・ 社会プラスチックにおける再認
    ・ 再認の個的構成
    ・ 国家資本における再認
​結
章 述語制様式:享楽と自己技術の場所
    ・ 享楽の述語技術と自己技術    
    ・ 主語制様式と述語制様式の鏡像的関係

    ・ 述語的な音とリズムと述語シニフィアン







 

アンカー 4
ブルデュー国家資本論

ブルデュー国家資本論​

​象徴資本/官僚界/国家思想​

​著: 山本哲士

自ら服属する国家に認識が収奪されている。国家は私の「共同幻想」であり、我々の
「国家資本」であり、我々を安全性と戦争に「統治制化」している。
社会秩序世界の普遍的なものが揺らぐ現在、吉本共同幻想国家論、フーコー統治制
国家論、ブルデュー国家資本論の相互理論から自らの認知・知覚・評価の構造を知る、世界線に立った新たな本格的国家論の大作。

書籍内容

2017年3月15日発売

ISBN 978-4-938710-22-4

定価:4,950円(税込)

1章  実際行為(プラチック)理論の意味

2章  資本の理論:象徴資本から国家資本論へ

3章  国家貴族論と認識・認知諸構造の界

4章  象徴権力・象徴暴力と象徴界――象徴資本の再布置

5章  ブルデュー国家論へ

6章  王朝国家と官僚界 

7章  政治資本/政治界と諸闘争および権力界

8章  国家資本と国家アクトの理論生産

結章  国家資本論へむけて

【著者からの言葉】
国家論3部作を仕上げました。『吉本隆明と共同幻想論』(晶文社、2016.12刊行)、
『フーコー国家論』(2016.11刊行)、『ブルデュー国家資本論』(2017.3刊行)、
と一挙に仕上げました。
共同幻想の国家化、統治制化の国家配備、認知構造の国家資本化をもって、国家論の
まったく新たな理論地平を開いたといえます。世界で初めてであると自負しています。
大学知一般に浸透している国家支配・国家権力の考え方は、マルクス主義とヴェバー主義
に囚われたもので、国家の性格の実際を論じきれていないものです。
人びとの思考・認知構造も知の言説の真理化も、国家認識・国家思考の壁に塞がれた
まま、再認されているにとどまっています。
国家を知ることは、国家を作り支えている自分自身を知ることであり、その壁をつきぬけ
て自己技術を取り戻すことになります。
国家論三部作に挑戦して、自らの世界をときはなって、主語制様式を集中化している国家
資本に剥奪されてしまっている場所資本の述語制様式の可能条件を探し当てるのに役立て
てください。









 

アンカー 7
フーコー国家論

フーコー国家論

​統治性と権力/真理​

​著: 山本哲士

国家に実体はない。国家は叡智性の図式でしかない。国家嫌悪のネガティブな思考は、国家の何ごとも把握していない。フーコーの「生権力」「生政治」をふまえ、マルクス主義的国家論の基盤を覆し、幻想関係、権力関係と統治制の配備から「国家の統治制化」を明解に論述。 
フーコー講義『安全・人口・領土』『生政治の誕生』を徹底解読し、世界の誰もまだ論じえていないフーコー国家論を明示した画期的な書。

書籍内容

2016年11月25日発売

ISBN 978-4-938710-17-0

​※ 新刊として新書で発売中

Ⅰ 権力関係論から統治性論へ
  序章 フーコー権力論の地平と言説的プラチック
    生権力・統治技術・統治性と国家への問題構成及び基本範疇


Ⅱ 『安全・領土・人口』を要約的に読む
  1章 安全性のテクノロジーと統治:フーコー国家論の構築へ(1)
    I 安全性メカニズムの抽出と設定:最初の問題設定
    【1】安全性の配備 dispositif
     ◎人口の登場
    【2】統治性
   * conduite de conduit *
  2章 パストラールの制度化:フーコー国家論の構築へ(2)
   Ⅱ パストラール権力の変遷
       [1] 羊飼いbergerと羊の群れとの関係:牧人pasteurの出現
       A パストラール権力の特徴:元型
       B パストラールへの批判
      [2] キリスト教的パストラール制への制度化
       A キリスト教的パストラール制の三特徴:救済 / 法 / 真理
       B 「反振る舞い」と統治性:振る舞いに対する抵抗・反乱
      [3] 魂のパストラールから「人口」の政治的統治へ
     * 統治性とパストラール制の関係:服従の論理と統治の論理 *
  3章 国家理性とポリス国家:フーコー国家論の構築へ(3)


Ⅲ 国家理性とポリス国家
    [III・1]国家理性の発明
      (1)国家理性の出現における「国家」の出現
      (2)統治理性:政治と統治
    [III・2]ポリス国家の構成
      (1)ポリスの登場
      (2)政治経済の誕生と人口:ポリスへの批判と離脱
      ・「経済」の出現:ポリスへの批判
    * 国家の統治制化 *
    Ⅲ 『生政治の誕生と国家』を要約的に読む
  4章 生政治の誕生と国家(上):自由主義の出現
     [1]政治経済の出現へ:最初の問題構成
     [2]統治する自由アート:十八世紀の自由主義
    * 統治の「装置」と統治の「配備」 *
   5章 生政治の誕生と国家(中):新自由主義の出現
     [3]新自由主義と国家
       A ドイツから
        (1)国家の存在を可能にする経済的自由
        (2)新自由主義「政治」の規定:企業形式をもつ社会
        (3)市場経済と社会政治
       B アメリカの新自由主義
        (1)人的資本論と労働
        (2)新自由主義の仕方
        (3)犯罪性・非行性
   6章 生政治の誕生と国家(下):ホモ・エコノミクスと市民社会
      [4]ホモ・エコノミクスと国家
     [5]市民社会の新たな布置:国家と社会の関係へ
  ◎「真理による統治」へ 『生者たちの統治』
  * まとめ *

Ⅳ 新たな国家論へ
  7章 国家論の新たな構成
     「社会」の防衛と共同幻想 / 場所資本の統治制
      医療と戦争:国家と権力関係との関係
      フーコーによる国家の問題構成の再確認
      統治と統治性・統治制の現在性へ
国家の現在的配備の構成
  Ⅰ 客観化された構造としての国家の問題構成
    (a)国家に「おける / 対する」幻想と心性と認識の合致の地盤
    (b)国家諸装置と社会空間の関係構成:統治技術の布置
     ・ 社会政治を超えるプライベートなもの:フーコーの限界
     (c)国家装置と社会サービス制度の対象である家族
    (d)諸々の権力テクノロジーの国家編制
      ・ 国家を超える政治権力
    (e)軍事・外交の国家間編制と多民族
  Ⅱ 国家アクトの諸装置と諸機能:制度と配備と装置
      ・ 国家を超える統治性
 Ⅲ 国家と自由市場経済との関係構造
      ・ 市場経済を超える資本経済
 Ⅳ 諸個人の国家意志と国家構造:個人化の政治と経済
 Ⅴ 国家の死滅、国家の廃絶、国家の無化という問題
    a 国家語とバナキュラーな場所言語、そして場所共同幻想
    b 対幻想 / 対関係の共同性への疎外表出
結語:共同幻想国家と統治制
    * dispositifとその方法 *
   8章 政治と倫理:国家・社会に対する自己テクノロジーと場所政治へ
      政治の倫理:1984年、生前最後のいくつかの語りから
      場所と資本の経済政治
     資本の統治、場所の統治:新たな統治するアート
     ・ ホスピタリティ資本経済の出現へ
     ・ ホスピタリティ場所環境政治の出現へ
【補記】フーコーの基本語録・言表・概念:理論用語の概念空間








 

アンカー 8
高倉建_

​高倉健・藤純子​​​の

任侠映画と日本情念

​著: 山本哲士

高倉健、藤純子、そして鶴田浩二による東映任侠映画の映像言語表現は、井原西鶴の義理、近松浄瑠璃や長谷川伸の人情をこえる、憤怒と情愛の日本〈情念〉表出による文化遺産である。折口信夫による侠客・じんぎの心意伝承論、ドゥールズ、ラカン、フーコーの哲学視座から、義理・人情の擬制概念を超えて、日本で、はじめて任侠映画の文化精髄を本格的に論じる映画文化論。
健さんは、何を叩き斬ったのか?!

書籍内容

2015年12月20日発売

ISBN 978-4-938710-94-1

​※ 現在お取り扱いしていません

Ⅰ部 待ってました!健さん!
 1章 昭和残侠伝の暗く煌めく世界
 2章 任侠映画の始まり:人生劇場と日本侠客伝と博徒
 3章 ごろつきと渡世の心意文化史:折口信夫と長谷川伸
 4章 日本侠客伝とマキノ雅弘の世界
 5章 網走番外地:道徳・倫理と侠客:「善/悪」の類型から派生するもの
 6章 闇に燦めく刃ドスと唐獅子牡丹:健さんは、何を叩き斬ったのか!


Ⅱ部 緋牡丹博徒と藤純子の女侠客
 7章 姓は矢野、名は龍子、通り名を「緋牡丹のお竜」と発します!
 8章 恋女房と芸者と女渡世人:情愛の情念


Ⅲ部 任侠映画の終焉地平
 9章 任侠映画の終息
 10章 その後の高倉健            
 終章 「社会」を撃つ西部劇、「産業化」を斬る任侠映画








 

アンカー 9
もの

​哲学する日本Ⅱ​

​〈もの〉の日本心性 

​述語表出の界閾

​著: 山本哲士

 日本語には主語がない、その述語制の文化を深層から普遍理論化する世紀的な書。
  山水画、狩野派、等伯、宗達、琳派、応挙、蕭白、浮世絵など豊富な素材から、
〈もの〉の隠れた閾をとりだし、心性を明示。図版150点。

書籍内容

2014年6月20日発売

ISBN 978-4-938710-89-7

定価:4,950円(税込)

「もの」篇
 発章 「もの」の言表と哲学理論
   0. 物を思う:石川啄木の歌
   1. 「もの」のことば学:日本語表現にみる「もの」
   2. 「ものchose」の理論閾:ラカン・宣長・西田幾多郎
   3. 「もの」と「こと」の哲学の顛倒的落し穴:廣松渉/和辻哲郎の言語哲学への批判とカント
   4. 折口信夫の「もの」
 
 壹章 「もの」の表象と文化技術――線・色・水と心的なもの
   ➀〈線〉の哲学
    1. 日本の線の現象学:水墨画・日本刀
        ❖文化の物質性と表出:ド・マン、クリステヴァ、ラカン
    2. 線の言語表象
    3.「切る」哲学
    4. 線のワザ 
  ②〈面〉の哲学
    1. 面の文化技術
    2. 紙の表象 布の表象
    3. 色の哲学
       ◇日本絵画の「もの」と面・色の述語表出構 �
   ③〈水〉の哲学
    1. 水の夢想哲学と詩学:水の心為 
    2. 水が動く哲学
    3. 水の場所哲学:水の思想

 貳章 本居宣長の「もののあはれ」
   Ⅰ 宣長の神代表象世界 
   Ⅱ 宣長の「物のあはれ」の表象世界
   Ⅲ 「神」「物のあはれ」の「もの」次元の喪失
       ❖ 近世における神話解釈の諸相
 
 参章 折口信夫の「もの」論
   (1) 「もののけ其他」
   (2) もの=霊  
   (3) もののふ/もののべ
   (4) ものあらそひ(物諍ひ)
   (5) 物忌み
        〈もの〉としての神表象の布置:記・紀の差異


理論篇
 肆章 「もの」の述語哲学へ:〈もの〉と非自己閾
   1. 述語制と判断:日本語の論理性
   2. 述語制の論理学へ向けて
      ❖ 松下大三郎の助辞論と連詞論 
   3. 西田幾多郎の場所論と直観論
      ◇ 「もの」の述語論理への哲学思考の場所 

 伍章 欲動・享楽と「もの」の心的述語制
   1. 欲望の構造と「もの」
   2. 「エス」と述語制、そして「もの」:無意識論を超える布置 
   3. 欲動と享楽の論理と「もの」
   4. 述語制の《もの》

 結章〈もの〉と倫理:〈もの〉の閾へ向かうということ
   近世言説による〈もの〉の変容
      ❖ 〈もの〉の位相学 ❖ 








 

アンカー 10
国つ神論

​国つ神論

​古事記の逆立解読

​著: 山本哲士

古事記を場所の国つ神から詳細に解読し、場所共同幻想を拓き、日本書紀の国家
設計地盤を覆す!

古事記は場所論、日本書紀は国家社会論である。日本の初発には、二つの異なる設計原理が在った、古事記と日本書紀はまったく異なる。大国主、大物主、猿田彦の国つ神から、天照、スサノヲ、ニニギ、神武など天つ神と天皇の限界を明示し、日本の原基を総括し転換する書である。

古事記研究が掴みえていない閾を思想的に明示した画期的な書。

書籍内容

2013年2月11日発売

ISBN 978-4-938710-78-1

​※ 現在お取り扱いしていません

 0  原理篇
    〈共同幻想〉論:吉本隆明の視座から
    〈タマ〉論:折口学の「クニブリ」へ
    〈神人〉論:坪井洋文民俗学の視座から
    〈カルプリ〉論:A ・アウスティンの神話人類学
    〈場所〉と神


Ⅰ 〈国津神〉の場所
    〈大国主〉論
    〈ニニギ〉論
    〈神倭イワレビコ〉論
    〈大物主〉論


Ⅱ 〈まつりごと〉論
     〈スサノヲ〉論
    〈天照〉論
     〈ヒメ〉論


Ⅲ 〈初発〉論
    〈イザナキ/イザナミ〉論
    〈ムスヒ神〉論
    〈黄泉国〉論
   〈国津神〉の重層的な幻想構造


Ⅳ 変容篇
     〈サルタヒコ〉論
     土蜘蛛と鬼

結語 場所の〈クニブリ〉論








 

アンカー 11
物象化論

物象化論と資本パワー

​著: 山本哲士

マルクス『要綱』に<資本の動き>と力を読み解き『資本論』を超えていくマルクスを抽出。 商品の物象化/制度の物象化/社会の物象化として 物象化論の体系を独自に明示し、個人へ構造化されている「現実の物象化」を心的に解く。

書籍内容

2012年1月20日発売

ISBN 978-4-938710-73-6

定価:4,400円(税込)

0章  物象化の現在:物象化の問題構成
    原発の物象化

1章  廣松渉の物象化論:物象化の本質構造
    物象化の四肢構造:本質的物象化論

2章  商品の物象化
     ルカーチの物象化論
     商品の現在的な物象化世界の現象
     価値増殖と物象化と資本

3章  制度の物象化:制度化・サービスの物象化:制象化
     資本の循環と回転
     労働力能と文化資本
     制度化価値の生産・流通と構造化

4章  社会の物象化:規範・規則の物象化 :社象化
     市場と「社会の物象化」
     規範化社会と物象化:フーコー
     社会の実定化と社象化:ブルデュー
     ナショナル国家と社会の物象化

5章  現実の物象化:人格における心性/幻想の物象化構造
     「自己の物象化」という物象化:ホネットへの批判
     Dingと物象化:ジャック・ラカンより
     心的現象/幻想と物象化:吉本隆明より

6章  物象化に対する通道:自己技術と資本の場所
     アンデルセンと物象化
     自己技術の述語行為
     《資本》の対象の転化:資本の論理に走る切断

結章  資本の転化:資本パワーと資本者
     1.果実をもたらさなくなる資本
     2.労働過程に「資本者」の契機を観る
    剰余価値と剰余享楽








 

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​​哲学する日本​

​非分離・述語制・場所・非自己

​著: 山本哲士

「日本」は、非分離・述語性・場所の概念をもって捉えることができる。

  それは、西欧哲学を地盤変えし、感覚の非自己閾を開く。

  日本語の論理、日本の文化技術から、新たな哲学を掘りあて、言説生産する超領域的

  思考による大転換の書。

哲学する日本_edited.jpg

書籍内容

​2011年2月11日発売

ISBN 978-4-938710-65-1

​※ 新刊として新書で発売中

Ⅰ 哲学地盤の転移:哲学設計の新原理
 

 1章 非分離の哲学
     近代分離の哲学
   1 非分離の技術
    1. 箸の技術:非分離の文化技術
    2. 非分離の技
   2 主客分離から主客非分離への認識論的切断
    1. 哲学表出として
    2. 言語表出として
    3. 認識論的切断

   3 非分離の理論生産閾
    1. 理論生産の閾
    2. 理論生産の閾
    3. 理論生産の閾
   

 2章 述語制の哲学
   1 述語の技術
   2 述語の表現:言語の述語性から
    1. いくつかの述語的な語法・表現の情緒性
    2. 日本語の述語的言語の論理構造
    3. 芸術における述語表現の世界
   3 述語制の論理
   4 述語的意志
   

 3章 場所の哲学
   1 場所の技術
   2 場所のことば
    1. 物と場所の違い
    2. 場所の日本語
   3 場所の哲学へ
    1. 空間の制覇:デカルト、ニュートン、ライプニッツ、そしてロック
    2. 日本の空間言説
   4 場所の述語意志 移動する場所
    1. 場所の述語意志
    2. 古代的心性の場所
    3. 場所は動く

 

Ⅱ 非自己の哲学閾
   

 4章 非自己の哲学
   非自己の界閾
   1 自己の哲学 私の哲学
   2 自意識の文学・批評に潜む非自己
    1. 小林秀雄という哲学的出来事
    2. 私小説の哲学
    3. 主体性論争における主体・主語の論理

   3 非自己の述語性と場所
    1. 自から
    2. 自然(じねん)
   4 非自己の実際領域と理論閾

 

 小 括
 

■ 結語とこれから:第�分冊の批判的総括ポイント

書 評

楠元恭治 氏の『哲学する日本』を読む
「ひょっとしたらユダヤの民のように、国土を捨て民族
大流浪にまで追い込まれるかもしれない未曾有の
大事故。 巨大地震、原子力事故、どちらも、我々同世代の戦後生まれの総理大臣にとって予測された(しかし準備されていなかった)二つの自然・科学災害。この国難を乗り超える知性が自己のテクノロジーを緻密に解き明かした
吉本隆明以後の知の在り方。 山本哲士著「哲学する
日本」だと考えています。 神輿担ぎではなく、本当にそう考えながら読んでいます。 あらゆる知的論理や文学世界を、特定の主体や自己意識が構成したものではなく、
非分離、述語制、場所、非自己、という「関係概念のプラチック」として捉えることができると同時に、そう捉えることで、かつて語られたあらゆる知性・知識を活用可能なものに改変させる可能性の世界を“哲学”として提出していると、わたしは解釈します。
その上でこの「関係概念のプラチック」の理性(自然)なるものを考えてみました。

『哲学する日本』を読むを、ご覧ください。                        楠元 恭治

下記のリンクをクリックすると新しいウィンドウが立ち上がります。
楠本恭治公式ブログ:
「まなざしの論理 theory of Eyes/ (fc2.com)








 
アンカー 13
ホスピタリティ講義

​ホスピタリティ講義

​ホスピタリティ・デザインと文化資本経済

​著: 山本哲士

近代哲学を超えるホスピタリティ哲学!
物象化を超える場所・資本の哲学!


主体・分離・社会の言説を哲学転換し、混迷・閉塞する現代世界を超える。
述語制・非分離・場所の文化資本経済論。


21世紀はホスピタリティの時代

 

ホスピタリティは、商品/サービス経済・社会経済を超える資本と場所の実質経済をつくりだす。 新たなホスピタリティ経済は、哲学・学問の設計変えによる新たな環境づくり。 フーコー、イリイチをふまえて、新たな哲学思考から語られる、明解にして重厚な言述。

近代の哲学・経済学・社会科学の地平を超える。

書籍内容

​2010年9月7日発売

ISBN 978-4-938710-60-6

​※ 現在お取り扱いしていません

Ⅰ.芸大講義 ホスピタリティ・デザインの三領界

講義1 ホスピタリティと〈資本>のデザイン:産業デザインを超える

      0.フーコーの絵画論

      1.資本のデザインと商品のデザイン
      2.ホスピタリティへの大転換
      3.サービスとホスピタリティの違い
      4.ホスピタリティの基本原理と場所
      5.文化技術デザインとホスピタリティ技術
      6.ホスピタリティのユニバース
      7.ホスピタリティ・プロジェクトとホスピタリティ・デザインの任務
 

 講義2 場所デザインとホスピタリティ
      1.社会環境デザインと場所環境デザイン
      2.自然と景観と場所ツーリズム
      3.文化技術と境界デザイン
      4.ホスピタリティ環境デザイン
      5.場所シティの設計

 

 講義3 視線の哲学とホスピタリティ・デザイン
      1.デザインとは
      2.光とまなざし、そして日本の目
      3.道具と物
        ① コンビビアルな道具と操作的な道具
        ② 実体デザイン:類似の再生産
      4.デザイン・チェンジへ
        ➀ 場所と武士制
        ② 感覚経済と情緒経済
        ③ ホスピタリティ・デザインの位置

 

     ❖付記 ホスピタリティ・デザイン理論へむけての覚書
 

Ⅱ.講演 ホスピタリティの多様な世界

 

   サービスとホスピタリティの違い:ウインザー洞爺ホテル講演
      客への対応の仕方/満足経済の誤謬/直接性における文脈の読み
      測定不可能さの自由/敵と主人/責任の場 倫理の行為/欠如性のサービス
      サービスとホスピタリティの調整/本質的な規定
   

      ホスピタリティ・ビジネスの地平:国士舘大学講演
     1.現在の産業主義経済
     2.ホスピタリティ経済の設計
     3.二つのホスピタリティ・ビジネス:庶民的と高級なもの
     4.ホスピタリティ教育と文化資本経済
  

      介護とホスピタリティ:福岡 山田達夫教授 就任十周年記念講演
     1.近代医療の場と認知症の場所
     2.人と人との対的なインターアクション
     3.外的な規制と内的な規制
     4.善 = good の機能を超える
     5.医療サービスから医療ホスピタリティへ
  

      リッツ・カールトンの「クレド」の意味:ホスピタリティ経済会議報告
       クレドの構造/サービスの三ステップ/スタッフの自己技術
       文化資本の従業員約束/主奴関係を超える

 

         ★ 補記 ウサギとカメの競争
 

   モノローグ:ホスピタリティとイメージ表象

アンカー 14
イバン・イリイチ

​    イバン・イリイチ

​文明を超える「希望」の思想

​著: 山本哲士

産業文明を超えるイリイチ思想の全貌を後期イリイチから論述。
1979年『学校・医療・交通の神話』(新評論)を記した処女作から30年、満を持しての書き下ろし。 いまこそイリイチは、生きる。教育・医療・速度のサービス制度批判をこえ、シャドウ・ワーク、ジェンダー、道具、さらに環境、文字、テキスト、光、そしてホスピタリティとコンスピラチオの思想地平が描かれる。

これを読まずして、現在の本質は考えられえない。

書籍内容

​2009年12月9日発売

ISBN 978-4-938710-56-9

定価:3,850円(税込)

Ⅰ 初発のラテンアメリカ:バナキュラーな場所
   1章 イリイチ登場:ラテンアメリカの世界
   2章 産業的なものとバナキュラーなもの:思想の基盤

 

Ⅱ 現在日常生活批判
   3章 「学校化社会」批判から教育批判へ 
   4章 速度社会の囚人:モーター乗り物と交通と移動 
   5章 医療発生病の社会:医療・健康・生命への批判 

 

Ⅲ 思想の飛躍的転換
   6章 コンビビアルなものと道具 
   7章 シャドウ・ワークとジェンダー 
   8章 イリイチの歴史論:「ニーズの歴史」と「稀少性の歴史」 

 

Ⅳ 後期の思想地平
   9章 イリイチの環境論:水と土と住まうこと 
   10章 「文字的精神」空間とテキスト:語る/書く/コンピュータ 
   11章 イリイチの身体論:光とまなざし 

 

Ⅴ 歴史・神話・希望の思想

   12章 神話・文明・歴史をめぐる思想地平:イリイチと吉本隆明とフーコー 

   終章​ キリストとともにあるイリイチ:最後のことば

アンカー 15
ミシェル・フーコ

​ミシェル・フーコー​の

​思考体系

​著: 山本哲士

人間とは思考する存在である、というフーコーは、すべてが政治であることを《知‐権力‐主体》のフーコー三角形から、体系的に明らかにした。

現在を解き明かす、道具箱がそこにある。

著者は、三十年間にわたるフーコー研究から、いま現在を解くフーコー理論を、総合的にあきらかにし、根源的な思想の場を示す。

本書を読むことからいままで にないフーコー像があきらかになろう。

統治性、統治技芸から国家論をこえるフーコー、さらに真実を語るフーコー、

その政治哲学、そして試験や危険人物、セクシュアリテ、病院の政治といった、

個別も明らかになり、自由の自己技術も提示される。

後期フーコーからみたフーコーの真髄。

書籍内容

​2009年3月10日発売

ISBN 978-4-938710-50-7

定価:3,850円(税込)

序章 フーコー三角形の論理編制

 

 1章 フーコーの政治哲学

 2章 「真実を語る」フーコー

 3章 自己テクノロジーの政治学

 

 4章 フーコーの権力関係論

 

 5章 知とディスクール理論

 

 6章 フーコーのセクシュアリテ論

 

 7章 フーコーの医療論:病院空間

 

 8章 フーコーの「試験」論

 

 9章 統治性の政治学

 

10章 社会が防衛されなければならない:戦争論

 

11章 国家の統治技術と社会の出現

 

終章 非自己の述語閾

アンカー 16
教育の政治

​教育の政治 子どもの国家​

​著: 山本哲士

「学校・医療・交通の神話」「教育の分水嶺」「学校の幻想 教育の幻想」

「学ぶ様式」など、日本で新たな教育理論の地平を開いてきた著者久々の教育論。 

 状況を本質的に解読、教師と親のための思考ツールを供する。
  ・教育のネオ・ナショナリズム
  ・現代教師の環境
  ・学校の政治空間
  ・教育知の政治コード
  ・学ぶパワーの文化資本 
  ・ホスピタリティ教育の場所環境

 そして、結章「教育の分水嶺」を新版では加筆。
 教育が政治であることを徹底して解明、そこからしか子ども・教師の解放はい!

 世界線での教育理論を唯一日本で展開する。

書籍内容

※ なお本書は reversible versionとしての「学校に子どもを殺されないために」と同じ内容です。 

分配への検証をかねた試みとして実験をしています。

​2009年5月25日発売

ISBN 978-4-938710-52-1

定価:2,541円(税込)

1部 教育の現象
 (教育のネオ・ナショナリズム学校に殺される子ども現代教師の環境)

 

2部 学校空間の政治
  (学校の政治空間ム再生産秩序の再生産教育知の政治コード--教科の政治)

 

3部 学ぶ自己技術
 (学ぶパワーの文化資本ホスピタリティ教育の場所環境:パブリックな教育環境の
新設計)
 

教育の分水嶺

アンカー 17
日本_社会>イズム

ポストモダン・ファシスト  

​ 日本〈社会〉イズムと

​著: 山本哲士

社会主義でも資本主義でもない、SOCIETYism=社会イズムという新たな概念でもって、規範化社会を解読する。 規則に従属した日々の営みが、諸個人を不能化し、その不能化が意思をもったときイデオロギーなきファシストという全体主義へ転じる。日本の現在病理を解く。
情報技術がデータ社会を構成し、ブログ上での真実が支配的になることで知性と感性が腐食していく。
ホスピタリティと反転した「非身体化」されていく現状にたいして、ホスピタリティの重要さをもとめる書。

書籍内容

​2009年3月25日発売

ISBN 978-4-938710-49-1

定価:1,980円(税込)

序文 膠着する社会から抜けだすために
 

Ⅰ. 社会イズム
   1章 日常の<社会イズム>現象:日本とイギリス
   2章 わたしが自分でなくなる:「社会する」形式
   3章 三重のひっくりかえりに暮らす:社会の物象化 物象化の人格化

   4章 交通とブログ:交通サービスとインターネット情報社会にみられる社会イズム

        撞着とポストモダン・ファシズムの胚芽
 

Ⅱ. ポストモダン・ファシズム
   5章 不能化が意思をもったポストモダン・ファシズム状態:徴候と診断
   6章 規則・規範に生きる現代人:ポストモダン・ファシストの三形態
   7章 ポストモダン・ファシズムの<政治ムメディア>現象

 

Ⅲ. 移動する
   8章 資本と場所へ「移動する」:<社会>から脱出するには

   補章 「社会」が形成された軌跡:裁判形態の視座から

アンカー 18

新版

​ホスピタリティ原論​​

​著: 山本哲士

過剰生産と過少消費に停滞する企業、住民不在の行政、変わりゆく世界と若者に対応

しえない大学、産業システムの限界は、商品の国民画一市場と“社会”イズ ムにある。

それにかわる「場所」を創造する指針を示す。
誰にも同じことをするサービスの効率性にたいして、一対一のホスピタリティの自己技術を明示。
あらゆる分野でもとめられる新たなホスピタリティ・マネージメントをガイド。

時代の大転換に対応する画期的な本質を解く書は、近代学問体系の転換をも示す。

書籍内容

ホスピタリティ原論.jpg

2006年11月発売

ISBN 978-4-7885-1025-8

​※ 現在お取り扱いしていません

序章 サービスとホスピタリティのちがい

     1 サービスの本質:二〇モード
     2 ホスピタリティの本質:二〇モード  

Ⅰ サービス社会を越える SOCIETY

   商品経済と規則社会の滞留
 

 1章 サービスが人間を悪くするのはなぜか

     一 サービスの転倒:サービスの物象世界

     二 日本はサービス社会によってどう悪くなってしまったのか
  

 2章 日本、<社会>イズム

     一 戦後日本社会の論理と実際

         1.戦後思想と社会

         2. 高度成長の「日本」産業社会

         3. 「社会」とは?

     二 日本《社会》イズムの現象

​        1.社会イズムの行動形態

        2. 世間体と組織形態       

        3. 「プライベート」さの喪失

        4. サービスによる現実の物象化

        5. 社会イズムの諸相

        6. あちこちに社会イズム

        7. 心理的不能、創造性の麻痺

     三 《社会》の発明

        1. 近代社会学者の「社会」づくり

        2. 社会契約論の「社会」

        3. 「社会」を疑う理論

        4. 「社会批判」において気づかれていない「社会」

        5. 個人とプライベートなもの

        6. 社会イズム批判の理論

​     四 社会を超える「パブリック」なもの

 3章 賃労働と資本の再考
 

Ⅱ ホスピタリティ環境へ MOBILITY

   ホスピタリティの哲学と文化資本経済

 4章 資本蓄積の第四次循環とグローバル・シティ
     1. 都市形成と資本蓄積の循環:ハーベイの都市論から

     2. グローバル・シティの政治経済:サッセンの都市論から

     3. 第四次循環の界:仮説的問題設定            

  

 5章 サービスからホスピタティへ

     0. 〈ホスピタリティ〉への気づき

     1. ホスピタリティの語源

     2. プレイべートとパブリック

     3. ホスピタリティと述語制

     4. トイレのホスピタリティ

     5. No1企業とNo2企業、No3企業

     6. 実質的仕事と形式的ワークとのずれ

     7. ホスピタリティ・ビジネスとは

 6章 場所ホスピタリティの創造
     1. 交換の経済とホスピタリティの経済

     2. サービスとホスピタリティの対立経済

     3. 三つの産業イズムからの脱却

     4. ホスピタリティ企業の技術

     5. 自己の技術と生産の技術

     6. 経営のガバメンタリティ

     7. 企業のスターリニズム 

 7章 ホスピタリティ・ビジネスの企業環境

     1. 商品・対・資本

     2. 資本とホスピタリティ

     3. 企業環境学へ

 8章 場所ホスピタリティの環境へ

     一 場所の意味と場所企業

     二 場所の哲学と政治設計学:〈地域〉を超える「場所」 

        1. 有の倍書:「ローカル」の意味 

        2.相対的無の場所:非分離の場所政治

        3. 絶対無の場所:場所意志の政治  

 

Ⅲ.ホスピタリティの設計を HOSPITALITY

    資本と述語技術の経営環境     
 

 9章 ホスピタリティの本質と技術
     一 ホスピタリティのテクノロジー=技術

        1.  ノーといわない技術

        2. コンテクストを読む技術

     二 世阿弥「花伝書」からみたホスピタリティ:「花」のテクノロジー

     三 ホスピタリティの経済技術         

 10章 述語性とホスピタリティ
 

 11章 ホスピタリティ教育のペタゴジー

      1. ホスピタリティ・ラーニング・プログラム

      2. ホスピタリティの「教育学的言説の生産」


 12章 ホスピタリティ・マネージメントの指南書

      ホスピタリティの基本世界

      Ⅰ ホスピタリティ・マネージメント基礎原理

        0 ホスピタリティ・マネージメントの戦略

        1 文化資本マネージメント:資本戦略

        2 ライフタイム・マネージメント

        3 パブリック・マネージメント

        4 セルフ=テクノロジー・マネージメント

        5 場所・環境マネージメント

      Ⅱ ホスピタリティ・マネージメントの評価基準

        基本評価水準の構成

        八つの評価基準の場

        ホスピタリティの実行評価基準

          1 Hospitality Technologyの評価基準:技術基準

          2 ホスピタリティ時間=timeの評価基準:プライベート化の設計基準

          3 Hospitality activity(行為)の評価水準

          4 場所Place の基本的な評価水準

        ホスピタリティの本質評価基準

          1 文脈=contextの評価基準

          2 ハートとマネーの評価基準

          3 述語制の評価基準

          4 convivialityの評価基準

アンカー 19
哲月の政治

2006年10月1日発売

​哲学の政治​​

​政治の哲学​

​著: 山本哲士

現在世界理論の最前線。 現在を考えることは、ここから、自分の思考を始めること。

全13章、単行本にすると14冊になる、厚さ9cmの大著。
6年間かかった。400字詰め原稿用紙で2000枚をこえた。1500頁になってしまった。

わたしの思考の統括であり、新たな開始である。 ジュネーブにいたゆえなしえた。

日本にいたなら、ここまで時間をかけて考えられなかったと思う。社会科学が現代世界を了解しえなくなっているため、ポストモダニズムやカルチュラル・スタディーズの軽薄さが闊歩する、それを超える地平は「哲学の政治」「政治の哲学」を構築するほかないと、考えねばならない対象をすべて対象化した。 論じた対象は500項目をこえた。すべてが政治であった二十世紀を転じるには、すべてを経済に転じなければならない。それには商品・交換・サー ビス経済を越えていかねばならない。各章、それぞれが一冊の書になる。分冊版で14冊を同時刊行している。見えてきた地平はいくつかあるが、一番大きな本 質的なことは、「社会」を無くすこと、かわりにパブリックを出現させること、それが資本・場所・プライベートなものであるのがはっきりしたことだ。 こうした総合的な思考をへないかぎり、ここはわからないようだ。他者を説得したり、人からの共鳴を得ようということを捨ててから、思考はやっと先鋭化しえたように思う。あまりに分厚いため、商品化しえないからオンデマンドのシステムを創出した。 なせないことがあると逆のものがつくりだしうる。つまり、本書の理念自体を本書が実践するということが同時におきた。これは面白い。しかもこの書は、吉本隆明思想とフーコー思想が基軸になって世界のほとんどの論者を串刺しし、つらぬいている。

ISBN 978-4-938610-20-0

​※ 現在お取り扱いしていません

書籍内容

  序章 社会理論

Ⅰ:

  1章 都市論

  2章 消費論

  3章 学校・医療論

Ⅱ:

  4章 国家論

  5章 権力論

  6章 情報論

Ⅲ:

  7章 イデオロギー論

  8章 言語論

  9章 身体・ジェンダー論

Ⅳ:

  10章 ナショナリズム論

  11章 民俗論

  12章 パブリック論

Ⅴ:

  13章 革命論

​  終章 自己技術論

アンカー 20
文化資本研究

文化資本研究  1

​ 文化資本とホスピタリティ​

cultural, capital & hospitality

​著: 山本哲士

日本の文化を文化資本の視座から、多角的に探究する総合誌、創刊!
商品世界、社会規範に囚われた現代社会に対して、<資本>の論理から、近代学問体系を学術転移し、資本経済、ホスピタリティ技術、場所統治への設計替えを目指す。
<資本>とは資金や資財の経済世界ではない、個々の力であり、創造の源である。
芸術、着物、医療、教育・子ども、建築、文学、スポーツ、環境、歴史、総体における諸資本を考察する。

書籍内容

2018年1月発売

ISBN 978-4-938710-33-0

定価:2,530円(税込)

福原義晴×小林陽太郎  21世紀の文化資本と企業家精神
矢野雅文  ホスピタリティ技術と文化資本
山本哲士  文化資本とホスピタリティと述語的場所
福井憲彦  歴史学の立場から、社会をとらえる幾つかの概念について
窪山哲雄  過剰サービスはホスピタリティ戦略である
田中  実  地域金融機関とホスピタリティ
松下和夫  パリ協定と持続可能な開発目標(SDGs)が示す新たな世界
坂田守正  場所資本の文化技術デザインと文化資本経済
駄田井正  文化の時代の経済と筑後川流域の文化資本
岡本哲志  場所環境調査の重要性と場所資本の意味を考える基本的視点
山本理顕  建築空間論
橋本純一  プロスポーツの観戦 場所環境マネジメント
楠元恭治  和風絵画の若冲と和製洋画の江漢_草枕にそって_
小松  弘  初期日本映画史をどう捉えるかム「類似と差異」よりム
藤井貞和  源氏物語とホスピタリティ
浅利  誠  日本文法のゆくえ
金谷武洋  日本語で<アイ・ラブ・ユー>をどう言うか
笹島寿美  日本人のための着物文化

河北秀也 「文化資本のデザイン」
佐藤直樹 「絵を描き続けて」
琴寄政人 「やはり希望は生まれる:劣化した学校現場から」
岡崎  勝 「子どもとの対話ということ」
西野憲史 「認知症とホスピタリティ」
坂井秀夫 「歯のホスピタリティ:歯が健康のすべて」
飛島  章 「東芝問題の本質とは何か」
阿波弓夫 「米墨国境、どこにもない大陸」
渡辺光博 「人間関係総資本の良質化へ」​

アンカー 21
述語制言語・金谷.jpg

​述語制言語の日本語と日本文化

​著: 金谷武洋

日本語文法が主語のある英文法の引き写しによって根源的な誤りを犯している。
印欧語の構文構造と日本語のそれとを対比させ、日本語の本質から世界の言語理論へ寄与する通道を開く、カナダ在住の著者の渾身の、日本で話題となっている
金谷文法・言語論の明晰な本格論述。
そして、助動詞の受け身・使役の連続する関係の本質を解き明かす。などなど。
これを読まずして日本語は語れない!

書籍内容

2019年3月15日発売

ISBN 978-4-938710-47-1

定価:2,970円(税込)

Ⅰ 日本語の述語制
   ❶章 日本語の述語制:日仏語対照研究
   ❷章 日本語を世界に広め、世界平和に貢献する:
       モントリオールからのメッセージ
   ❸章 述語制言語の日本語文法を主語制言語の英文法で記述する愚行
   ❹章 述語制の日本語が示す非分離の思想

 

Ⅱ 印欧語は述語制から主語制にどう変化したのか

   ❶章 提題文に見る述語制と芭蕉の改革
   ❷章 「神の言語」となった現代英語:文学作品(小説)に例を見ながら
   ❸章 主語制言語と述語制言語を繋ぐ連続線:
        それぞれの典型として英語と日本語
   ❹章 主語制言語と述語制言語日本語の違いを視点論から考察する
   ❺章 受け身、自動詞、他動詞、使役を結ぶ連続線
   ❻章 述語制の視点が解明できる印欧語中動相の機能
   ❼章 「日本文化のかくれた形(かた)」を可視化する

 

Ⅲ 日本語の文化
   ❶章 日本語が始まった:三上章の思想と文法

   ❷章 日本語で<アイ・ラブ・ユー>をどう言うか

   ❸章 インタビュー 金谷日本語論のエッセンス
 

【document】
La nouvelle grammaire du japonais selon Mikami Akira
三上章の新日本語文法

著者プロフィール

金谷武洋_edited.jpg

金谷 武洋(かなや たけひろ)
1951 年北海道生まれ。
函館ラ・サール高校から東京大学教養学部卒業。ラヴァル大学で修士号(言語学)、
モントリオール大学で博士号( 言語学) 取得。専門は類型論、日本語教育。
カナダ放送協会国際局などを経て、2012 年までモントリオール大学東アジア研究所日本語科科長を務める。







 

アンカー 22
源氏物語

論集

源氏物語の文化学

​野口武彦  原岡文子  今井久代  藤井貞和  朧谷 寿  高橋 亨 
松井健児  加藤洋介  安川洋子  与那覇恵子  小嶋菜温子  河添房江  

「源氏物語」は、日本の文化資本の重要な遺産である。
ホスピタリティなども含んだその世界は、ただのおもてなしだけではない。
「源氏物語」に即した深い考察の数々!

書籍内容

2018年8月20日発売

ISBN 978-4-938710-35-4

定価:3,740円(税込)

『源氏』はいかにして物語となりしか――石川と横川と宇治 野口武彦
「幸い人」の論理――中の君をめぐって 原岡文子
紫上と和歌  今井久代
『源氏物語』と国民文学――バーバラ・ルーシュを起点として 藤井貞和  
インタビュー 貴族の日常生活 朧谷寿
源氏物語の〈琴〉の音――知の歴史語りの遠近法 高橋亨
『源氏物語』の贈与と饗宴――玉鬘十帖の物語機構 松井健児
〈例〉の物語としての源氏物語 加藤洋介
阿闍世王説話と薫の造型――正篇から続篇へ 安川洋子
〈語り手〉の変容・〈性〉の変容 与那覇恵子
聖なる暴威の光 アマテラス・かぐや姫・光源氏 小嶋菜温子
『源氏物語』の〈闇〉とエロス 小嶋菜温子
『源氏物語』の文化技術 藤井貞和
インタビュー 源氏物語のホスピタリティへ 藤井貞和
『源氏物語』の〈罪〉とホスピタリティ――宴の苦い酒 小嶋菜温子
もてなしの文化史 源氏物語の〈みやび〉とホスピタリティ 小嶋菜温子
幻の「源氏物語絵巻」宴の光と影 小嶋菜温子
『源氏物語』・結婚・ホスピタリティ(覚書) 原岡文子
桐壺巻のホスピタリティ――高麗人対面の場面から 河添房江

* 本書は、源氏物語に関する「季刊iichiko」の掲載論文をひとつにまとめた〈文化学
    ドキュメント〉です。

 

アンカー 23
子ども

子ども/明日への扉

​著: 琴寄政人

心がけたこと
私が先生(小学校)になった年のことである。市内の新米教師の集まり(研修)があった。私は、毎日のように目が惹きつけられていたこどもたちの姿を話した。
❍ 勝手に席を離れ続けるのだが、ずっと私の顔をうかがっている子
❍ 長い自分の髪の毛で顔を隠しながら、ぶつぶつとつぶやいている子
❍ 私の授業がさっぱりわからないという顔をして、じっとしている子
これらは私の頭やお腹の痛みの原因となってもいたのだが、とてつもなく新鮮な出来事でもあった。私は研修会で結構なおしゃべりをしたわけである。すると、指導を担当する講師から質問を受けた。
「あなたが子どもに対して心がけていることはなんですか」
すると私の口から、まるで用意されていたかのように答が出た。
「禁止事項をすくなく、と思っています」
50年前になろうというこの言葉は、今も代わらず私にあるように思っている。断るが、私は子どもたちをいつも怒り、怒鳴っていた。しかし、その頃の子どもたちが当時を振り返り、「怒られた記憶がない」
と言い、私も、楽しかった、と思い返すのである。この謎を解く鍵はひとつしかないような気がする。新米だった私は、本当のところ面食らってばかりいた。しかし、面食らった時は、多分怒っていない。その状態を維持した。つまり、じたばたしながら、子どもの様子をうかがったのだ。これはまったく非効率的なことではあるが、大切なことだと今も思う。

2018年6月25日発売

​ISBN 978-4-938710-36-1

​定価:2,530円(税込)

書籍内容

第①章 「戻る場所」「戻れる場所」 
 1 なんでもない一日を過ごすこと
 2 どこかに置いてきた「場所」
 [コラム I]
 新聞配達、『山の人生』


第②章 若き教師に向けて
 1 無能を乗り越える手だて------原理
 2 無能を乗り越える手だて------実際
 3 無能を乗り越える手だて------戦術
 4 無能を乗り越える手だて------信じる心
 [コラム II]
 高村薫/よしもとばなな


第③章 子育て「しつけ/指導」
 1 体罰/いじめ I
 2 体罰/いじめ II
 3 体罰と上達
 [コラム III]
 ドストエフスキー 新たなブーム!?
 父親殺し/共犯


第④章 子ども理解/子育て
 1 いい学校
 2 頑張れ日本女子柔道!
 3 不慣れ
 4 きまりと作法
 [コラム IV]
 「はげ、死ね!」


第⑤章 教師の善意/親の愛
 1 教師・親の病状/症候
 2 「上手な子」と「下手な子」
 3 「いじめ解決の困難な道のり」①
 4 「いじめ解決の困難な道のり」②
 [コラム V]
 東京オリンピック(1)


終章 希望のありか 
 [コラム VI] 
 東京オリンピック(2)

著者プロフィール

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琴寄 政人(ことより まさと)
1948年生まれ。
宇都宮大学卒。小学校教員を経て中学校教員に移る。
2009年定年退職。実践教師塾主宰。琉球唐手研究会。

※ 琴寄政人の公式ブログhttps://blog.goo.ne.jp/kotoyorimasagoo/arcv
http://web-uni.comに琴寄政人の映像レクチャー収録。




 

アンカー 24
浅利

​非対称の文法​

​「他者」としての日本語​​

​著: 浅利 誠

日本語文法の誤りを問う!「テイル」形は進行形ではない!日本語文法論が世界の敷居を踏み越える。哲学を踏まえた本格的な日本語論!日本語文法が世界の敷居を踏み越えるべく、日・仏二言語間の 文法の非対称に焦点を当て、哲学・言語論における、前進を阻害する認識論的障害を検証し、飽くことなく先行理論及び同時代の理論との対話を試み、負の遺産に鋭い批判を加えつつも一貫して正の遺産へと転化させる努力を続けて、世界の言語理論へ寄与する通道を開く、パリ在住の著者の渾身の文法・言語理 論。そして、格助辞システムのエッセンス。佐久間鼎、三上章、時枝誠記らの文法論を、フーコー、ソシュール、ハイデガー、西田幾多郎の哲学とともに考察し、日本文法の誤認を超える!

2017年11月1日発売

ISBN 978-4-938710-30-9

定価:2,750円(税込)

書籍内容

序文

1章 日・仏二言語間の非対称性を通して見られた日本語文法

2章 言文一致体成立「以後」の日本語の時間表現

3章 布置の変容後の「ている」の位置

4章 空間表現(一)
    「場所・格助辞・動詞」システム
5章 空間表現(二)

    「格助辞システム」の普遍性

6章 佐久間鼎の「切断」あるいは文法論の定礎

7章 「格」作業と「結び」作業の協働

8章 「他者」としての日本文法の行方

【付論】 越境する三上章と金谷文法

著者プロフィール

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浅利 誠 (あさり まこと)
1948年青森生まれ。
ボルドー・モンテーニュ大学名誉教授。早稲田大学第二文学部(西洋文化)卒業。
早稲田大学哲学科修士課程修了。新ソルボンヌ大学フランス文学科博士課程修了(第三課程博士)。(仏)国立東洋言語・文化研究院日本学科講師・准教授(1984-2008 年)。ボルドー・モンテーニュ大学言語・文化学部教授(2008-2014 年)。
著書に『日本語と日本思想』(藤原書店、2008 年)。
訳書にK_jin Karatani, Structure de l' histoire du monde, CNRS EDITIONS, 2018.





 

アンカー 25
コンシアンス

コンシアンスの系譜学

​著: エドワード・G・アンドリュー

権利、自由、正義、所有、選択、そして信念、確信、さらに価値の思考や言説には、コンシアンスが働いている。感情や振る舞いには、思想とことばと言語の結びつきがなされて、内化されている。その歴史的変容を仔細に克明に系譜学的に解き明かし、市場社会の現在の道徳的基盤を根源から問い、個性を形成する主観の根拠とは何であるのか、古代哲学、近代哲学、文学、そして日常の事ごとが、コンシアンスから説かれる。

書籍内容

2017年10月1日発売

ISBN 978-4-938710-29-3

定価:2,750円(税込)

Ⅰ コンシアンスconscience の思想史的考察」

Ⅱ 「主観性の言語:価値とコンシアンス」
  1. 哲学と価値的思考
  2. プルースト――価値を巡って――
  3. 「コンシアンスが我らを皆臆病者にする」
  4. コンシアンスと啓蒙理性
  〔付論〕culture(文化)について


Ⅲ 「ピエール・ブルデュー――プラチック理論の実戦者」
  「エドワード・アンドリューのこと――監修者より」

著者プロフィール

エドワード・アンドリュー.jpeg

エドワード・グラント・アンドリュー (Edward Grant Andrew)
1941年生まれ。
現在、トロント大学、政治科学部のProfessor Emeritus である。

【訳者】
樋口克巳 江川隆男 伊藤雅巳 堂園俊彦






 

アンカー 26
オクタビオ・パス_

​迷路帰還

​オクタビオ・パス​​

​著:阿波弓夫

17年間メキシコに暮らした著者が、ノーベル文学賞詩人・思想家のオクタビオ・パス(1914-1998)と直接交流しつつ、 40数年間向き合い続けて表出した渾身のパス論。
 「メヒコ詩人パスを夢中に書き続けながら、実は無意識に自分という迷路からの脱出を試みていたこと、そしてさらに日本に帰還している自分に気が付くに至ったこと、この二つの気付きのうちにメヒコのパスが自分なりのパスとして蘇生していた。本書が多少なりとも世に問うものを実体として持つとすれば、それはもともと「分かる」というようなごくありふれた言葉が日常生活の何気ない瞬間に異化された経験と一体になっていることに起因する。このような経験は特に珍しいというものではない。ただ、筆者の場合、これをメヒコという異世界との出会いのなかで見出した、そしてパスの杖に支えられて読み考え、かつ励まされてきたということである。」(「読者へ」より)

2015年10月15日発売

ISBN 978-4-938710-98-9

定価:5,280円(税込)

書籍内容

オクタビオ・パス-------------------言葉の魔術師

Ⅰ 詩人の内部へ『奥の細道』から
 序   原野に窓を開く
 第1章 パスの芭蕉---------熱愛とその構造
 第2章 長詩『太陽の石』読解とその背景
 第3章 短詩「街路」---------開かれた〈物語〉の彼方へ
 第4章 詩作の瞬間、創造の源泉
 第5章 パスとギリシャ哲学
 第6章 パス・生きる
 第7章 長詩『石と花の合間に』---------新旧ニ版に関する一考察


Ⅱ『孤独の迷宮』を読む
 序   アリアドネの糸を求めて、迷路から
 第1章 オクタビオ・パス対「透明人間」---------『孤独の迷宮』研究序説
 第2章 ロス・アンピバコス---------三人のインディオ
 第3章 鯛とメトラジェタ---------オクタビオ・パスのいる入江から
 第4章 『孤独の迷宮』を読む1---------構造解明の視点から
 第5章 『孤独の迷宮』を読む2---------流れに抗して


Ⅲ 言葉は架け橋
 序   詩人パスと友人パスの合間から
 第1章 サパタの顔を読む
      ---------メキシコ革命のヒーローの死と再生をめぐる一考察
 第2章 『孤独の迷宮を読む』3
      ---------オルテガ、大江健三郎を手がかりとして
 第3章 『孤独の迷宮を読む』4
      ---------ブニュエル、吉田喜重、セアを手がかりとして
 第4章 『孤独の迷宮を読む』5
      ---------ブニュエル、吉田喜重、セアを手がかりとして
 第5章 四人のエスピリトロンパ
      ---------日本におけるオクタビオ・パスの知的反響
 第6章 ソンブレロはパスの風まかせ

オクタビオ・パス主要作品略年譜
● El titulo del kibro que le propongo hacer : “Octavio Paz y su batalla en Japon”
● Un viaje fantastibo hacia Octavio Paz
● Un viaje fantastibo hacia Octavio Paz 2

 

著者プロフィール

阿波弓夫_edited.jpg

阿波弓夫
亜細亜大学、法政大学など非常勤講師。フリージャーナリスト。

アンカー 27
太陽の石

2014年3月31日発売

ISBN 978-4-938710-87-3

​太陽の石​

​Piedra de Sol

​著: オクタビオ・パス

●なぜいま、「太陽の石」なのか
 メキシコの詩人オクタビオ・パスは、1914年メキシコに生まれた。今年は生誕百年である。ノーベル賞受賞者であり、スペイン語圏を代表する詩人、文学者であるが、日本ではまだあまり知られていない。
本書で紹介している長編詩「太陽の石」は、1957年に発表された。この年には、パスにとって転機となる大きな出来事が三つ起こっている。一つは、評論「Las peras del olmo(楡の木に梨)」(メキシコ国立大学出版)の発表で、表紙には歌麿の美人画が載った。二つ目は、松尾芭蕉の『奥の細道』のスペイン語版「Sendas de Oku」の完成。三つ目は、長編詩「太陽の石」の成立。いずれにも、日本や東洋趣味が強く漂っているのだ。
パスのオリエンタリズムは、浮世絵や書画、骨董のそれではなくて、俳諧、連歌のほうに顕著だったが、当時のメキシコがアメリカやヨーロッパを理想の中心として仰ぎ見る時代であったこと(これは、ノーベル賞受賞演説でパス自身が述懐している。曰く「いいものはすべて外にある、出かけて持ち帰らなければならない。」)を考えると、日本やオリエントを前面に出したこれらの作品の発表が、実に異端児的行為であったことだと想像できる。
しかしそれは、奇を衒った行為でも何でもなく、パスが全世界を経巡った挙句に到達した、つまり価値転換した彼にのみ見えた、メキシコのもう一つの顔であった。

「太陽の石」と同年に発表した、スペイン語版『奥の細道』については、後日、共訳をした林屋永吉氏が興味深い〈パスの俳諧論〉ともいえる話をされている(本書に掲載されている)。かの有名な「閑さや」を、最初のQuietudという直訳語から、少しのちにTregua de vidrio という、文字通りに訳すと「ガラスの休戦」という言葉にパスが変更したというのだ。自分流のイメージの世界ですでに俳諧を自家薬籠のものとしていたことがわかる。自らヨガの実践者として、禅の精神にまで体を通して近づいていた人らしく、芭蕉の精神を自分なりに掴んでいたのだろう。

『奥の細道』と「太陽の石」が重なり、しかもそれはパスの人生の大変動ともつながっていた。それはつまり、ミクロコスモスとマクロコスモスとの重なり、反対物の合一というシュールレアリズムの芸術が、最もメキシコ的な様式美をもって姿を現したといえる。そして我々も1987年に、パス宇宙の大転換に連なっていた。こうしたことから、今回「太陽の石」の邦訳を出すことに繋がった。

コーディネーター 阿波弓夫(あとがきにかえてより抜粋)

​※ 現在お取り扱いしていません

書籍内容

▼太陽の石 オクタビオ・パス
  注釈 オクタビオ・パス
▼オクタビオ・パス生誕百周年に寄せて
▼オクタビオ・パスの「太陽の石」 エリア・ソーサ・ニシザキ
▼精神圏の巨歩の旅人 大岡信
▼パスの庭で 大岡信
▼常軌を逸した東洋通 ドナルド・キーン
▼パスとSendas de Oku(『奥の細道』) 林屋永吉
▼詩人の美術館 テオドロ・ゴンザレス・デ・レオン
▼オクタビオ・パスの未来 ガブリエル・サイード
▼オクタビオ・パス主要作品略年譜
▼あとがきにかえて 阿波弓夫
▼謝辞

著者プロフィール

オクタビオ・パス Octavio Paz (1914-1998)
現代ラテンアメリカを代表するメキシコの詩人、批評家、外交官。創作活動は多岐にわたり、
19歳で発表した詩集『野生の月』にはじまり、詩集、詩論、評論を多数発表。
1990 年にノーベル文学賞を受賞した。

【訳者】
伊藤昌輝 Masateru Ito
    ラテンアメリカ協会副会長、元駐ベネズエラ大使
三好 勝 Masaru Miyoshi
    在日メキシコ大使館翻訳官
阿波弓夫 Yumio Awa
    亜細亜大学、法政大学など非常勤講師、フリージャーナリスト
田村徳章 Noriaki Tamura
    パレス編集センター取締役、元毎日新聞東京本社編集局
松山彦蔵 Hikozo Matsuyama
    毎日新聞社弘前通信部長
後藤丞希 Shoki Goto
    メキシコ国立自治大学外国語センター教員

アンカー 28
概念芸術の地平

2013年9月30日発売

ISBN 978-4-938710-84-2

定価:7,480円(税込)

​概念芸術の地平​​

​デザイン本質論

​著:楠元恭治

ハイデカーの《時熟》と《脱自》の概念が、外的な〈実存〉と内的な〈構造〉を個人に促す西欧性の臨界点にあるものであるという認識から観て、山本哲士『哲学する日本』は、これらが解体していく揺らぎを、〈実存〉においては、「分離」が「非分離」に、「自己」が「非自己」に揺らぎ、〈構造〉においては、「場」が「場所」に、「主語性」が「述語性」に揺らいでいる、と捉え〈論〉をすすめている、とわたしはみなす。西欧の主体化に潜んでいる知・真理・権力の背景には、「主語性」を絶対とする西欧語固有の慣習があり、日本語固有の「述語性」の慣習と正反対の〈構造〉を成している。この日本語の「述語性」の無意識にこそ、近世日本、明治日本、近代日本の文化の特性の総体が潜んでいるとして、『述語制』なる概念を提出し、そこから逆に西欧文化を解き明かす視点が提出された。わたしたち美術家も、明治以後の西欧の思考に晒されながら、主語性の言語中心主義に馴らされ、造形活動の美術と思考活動の言語が背反する中で、美術家は思考停止を余儀なくされ、トリックスターと呼ばれるピエロを演じるプレイヤーに祭り上げられ疎外されている。しかしそれでは社会的な余興以上のものではなく、消費されそして消えさるものでしかない。芸術行為を、「非自己」「非分離」「場所」「述語制」とすることで、視覚・聴覚・触覚に開かれた真の身体中心のマルチメディア表現を構想することができる。そして、河北秀也デザインは、それを実行しえている稀有な創造行為である。芸術・アートと哲学とを根元からとらえなおすコンセプチュアル・アートを開く可能性を、わたしは 3・11以降格闘し探究して来た、その固有の体系化へのエチュードである。

書籍内容

▼ レクチュールレッスン01 非分離 I
    予備的考察
    精確90度
▼ レクチュールレッスン02 非分離 II
    季節の無意識と理性の初春
   草原の野武士た ち
▼ レクチュールレッスン03 非分離 III
    ことばを歩く
   がんばろう日本/やっと会えたな
▼ レクチュールレッスン04 非分離IV
    ことばを歩く=2
   イリイチ/日本近世思想家
▼ レクチュールレッスン05 場所 I
    季節の襞(ひだ)と皺(しわ)
   幻想/権力/国家
▼ レクチュールレッスン06 非自己I
    非自己の視線/浸透と緊張 芸大講義ノート1
   映画の粒子/野生の波形
▼ レクチュールレッスン07 非自己II
    反マテシスの映画と非タクシノミアの現代芸術
   ゴダール/デュシャン
▼ レクチュールレッスン08 場所�
    場所という作者/射影と映像 芸大講義ノート2
   村上春樹/河北秀也
▼ レクチュールレッスン09 非分離V
    未来デザインの哲学へ 芸大講義ノート3
   河北=デザイン/山本=哲学
▼ レクチュールレッスン10 非分離VI
    模写と反復
   考えるギリシア西欧/思うアジア日本
▼ レクチュールレッスン11 述語性I
     レディメイド、アンフラマンス、触覚の世界
    マルセル/光太郎
▼ レクチュールレッスン12 述語性II
     述語性による象徴界の動態化 1
    マネと泉/若沖と枯山水
▼ レクチュールレッスン13 述語性III
     述語性による象徴界の動態化 2
    光/音/時/色
▼ レクチュールレッスン14 述語性IV
    《情動性》という述語性の想像界
   内臓系/頭脳系
▼ レクチュールレッスン15 述語性V
    述語制という超記号学の理論
   松浪信三郎/三上章
▼ レクチュールレッスン16 述語性VI
    耳の幻想と眼の闘争、二つの意志
   聴くこと/視えること
▼ レクチュールレッスン17 述語性VII
    デッサンという物象化の述語制
   dessein/dessin/西田幾多郎
▼ レクチュールレッスン18 非分離VIII
    述語意志による芸術- 伝達への進化
   今西/隆明/武蔵
▼ レクチュールレッスン19 場所III
    場所人の「社会彫刻」
   不参/休暇
▼ レクチュールレッスン20 場所IV
    空間人の社会彫刻から世界人の公然彫刻へ
   アフリカ的段階の場所
▼ レクチュールレッスン21 場所V
    物と場所
   非知の技法/パラ・イメージ
▼ レクチュールレッスン22 場所VI
    触覚能としての原- 世界デッサン閾
   マルチイメージ
▼ レクチュールレッスン23 場所VII
    普遍デッサン閾の映像と世界デッサン閾の射影
   スペクタクル/ソニマージュ
▼ レクチュールレッスン24 場所VIII
    和洋カウボーイの回帰すべき場所
   フロンティア/ピューリタン/プロテスタンティズム
▼ レクチュールレッスン25 場所IX
    写真術という《対幻想》する想像力
   デペイズマン/デプラスマン
▼ レクチュールレッスン26 場所X
    デザインするという聖デザインの場所
   天つ神/国つ神
▼ レクチュールレッスン27 非自己III
    非自己という量感
   吉本/フーコー/山本
▼ レクチュールレッスン28 非自己IV
    エスとランガージュ
   エロス/タナトス
▼ レクチュールレッスン29 非自己V
    異化する非自己
   小林秀雄
▼ レクチュールレッスン30 非自己VI
    非自己の大海
   太宰治

 

アンカー 29
カルプリ

カルプリ

​メソアメリカの神話学

​著: アルフレド・ロペス=アウスティン

古代アステカの神話統合の中に、前古代の場所神話の残滓を読みといた、画期的な神話学。神話と歴史の相互性を実証的かつ理論的に開示した明快な考察は、構造主義的人類学の限界を超える。スペイン語で記された神話書に、ナワ語で記されたもうひとつの神話世界があった。場所の民は、自らの文化を場所の言語で残していた。ナショナルな統合に使われがちな神話世界を、場所の論理として転移した本質的神話学である。

書籍内容

2013年2月11日発売

ISBN 978-4-938710-79-8

定価:2,970円(税込)

​▼ 偉大なるアウスティン神話学 山本哲士

▼ ナウアの身体宇宙論

▼ 海を越えてきたメシーカ人の歴史物語

▼ 古代ナワの死をめぐる信仰

▼ メソアメリカの守護神たち

▼ メソアメリカ伝統における宇宙樹

▽ ロペス・アウスティン論にむけて 篠原愛人

▽ ロペス・アウスティン 文献目録

著者プロフィール

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アルフレド・ロペス・アウスティン (Alfredo Lopez-Austin )
1936 年生まれ。メキシコ国立自治大学教授。




 

アンカー 30
文化的身体と歴史

文学的身体と歴史

​著:山崎正純

本書は、「文学」を生命論的考察の対象として位置づけるための試論である。啓蒙的・批判的理性による現実認識の言語的表象領域として「文学」を実在論的に位置づける近代主義的文学観においては、「文学」はむしろ批判的認識の対象であるはずの歴史の力学に取り込まれ、歴史叙述を構成するイデオロギーが「文学」領域へ侵入する。〈私〉性はイデオロギーを受け入れることで〈公〉的領域に引きずり出される事になるだろう。それこそが近代的個人の成立だとする近代主義と、まず手を切らなければならないのだが、この喫緊の課題の解決は思ったほど容易なことではない。
西田幾多郎、田辺元、吉本隆明、太宰治、小林秀雄、志賀直哉が描こうとした世界を、歴史的世界における文学の身体性によって切り結ぶ。

書籍内容

2013年2月11日発売

ISBN 978-4-938710-80-4

定価:3,300円(税込)

​▼はじめに 文学の身体と言語
  Ⅰ九四〇年前後
  Ⅱ西田哲学における歴史的身体
  Ⅲ 下村寅太郎と坂口安吾
  Ⅳ 中島敦に寄せて
▼第一部 文学的身体と歴史
 ●第一章 太宰治・敗戦・田辺元
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 主体の憂鬱
   Ⅲ 許されない問いを問うこと
   Ⅳ 田辺・『展望』・太宰
   Ⅴ 所有と権力の脱構築
 ●第二章 歴史のポイエーシス
   Ⅰ 語り得ぬもの
   Ⅱ 知識人論
   Ⅲ 転向論
   Ⅳ 語ることと沈黙すること
 ●第三章 吉本隆明の対偶的思考
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 沈黙の意味
   Ⅲ 理論の落丁
   Ⅳ 擬制の終焉
   Ⅴ 幻想の中心
▼第二部 生成する文学的身体
 ●第一章 文脈形成行為と公私の再編成
   Ⅰはじめに
   Ⅱ 透谷と晶子の文脈
   Ⅲ 公私再編とジェンダーの文脈
   Ⅳ「夕鶴」の私秘性  
 ●第二章 痕跡の所有
   Ⅰ 他者の痕跡
   Ⅱ 意味の所有
   Ⅲ 理論負荷性とアスペクト転換
   Ⅳ 言語史と文学史
 ●第三章 疎開者小説の可能性
   Ⅰ 疎開者小説の問いかけるもの
   Ⅱ〈正しさ〉とは何か
   Ⅲ 倫理と経済
▼第三部 文学的身体の自画像――志賀直哉と小林秀雄
 ●第一章 身体性と暴力
   Ⅰ「剃刀」
   Ⅱ「クローディアスの日記」
   Ⅲ「范の犯罪」
   Ⅳ「児を盗む話」
 ●第二章 沈黙する志賀直哉
   Ⅰ文学の身体性
   Ⅱ「孤児」
   Ⅲ「小品五つ」
   Ⅳ「佐々木の場合」
 ●第三章 流れを遡る
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 視界の限界
   Ⅲ 不可視の流れ
   Ⅳ 死と係りつつ生きる
 ●第四章 「眠られぬ夜」の夢と現実
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 夢と現実
   Ⅲ 決定論的自然観
   Ⅳ 思想家の私小説
 ●第五章 「おふえりや遺文」論
   Ⅰ〈語る主体〉
   Ⅱ〈語り〉の構造
   Ⅲ 作品の大枠と原作との整合性
 

著者プロフィール

山崎

山崎正純(やまさき まさずみ)
1960 年生まれ。
九州大学文学部卒。同大学院博士後期課程中退。大阪府立大学人間社会学研究科
教授。博士(文学)。専門は、日本近代文学、比較文学。
著書に『転形期の太宰治』、『戦後〈在日〉文学論』、『丸山眞男と文学の光景』(以上、洋々社)など。